日産、栃木工場の稼働率は生産能力の3分の2に 塗装工程問題も解消

日産、栃木工場の稼働率は生産能力の3分の2に 塗装工程問題も解消
 12月8日、日産自動車は、最新の生産技術・設備を稼働させた栃木工場(栃木県上三川町)を報道陣に公開した。写真は日産のロゴ。2019年10月撮影(2023年 ロイター/Phil Noble)
[上三川町(栃木県) 8日 ロイター] - 日産自動車(7201.T), opens new tabは8日、最新の生産技術・設備を稼働させた栃木工場(栃木県上三川町)を報道陣に公開した。工場長の菊池英司氏は、現在の稼働率について、年間生産能力約19万3000台(残業・休日出勤除く)の「3分の2くらい」と明らかにした。
品質などが安定せず、生産遅れの一因となっていた最新鋭の塗装工程も設備や材料の改良を重ねるなどして11月にはすべての問題が解消、「今はフル稼働している」(日産幹部)という。同社広報も、塗装工程での不具合はもうなく、生産に影響は与えていないと説明した。
電動車普及や少子高齢化・人手不足、脱炭素に対応するため、日産は2020年から約330億円を投じて栃木工場を改修。世界初となる鉄製ボディと樹脂製バンパーを同時に塗装する工程を導入したが、生産が順調にいかず難航。半導体不足なども重なり、主力の電気自動車(EV)「アリア」の量産が想定通りに進まなかった。
栃木工場では、EVやハイブリッド車、ガソリン車を問わず、パワートレインユニットの組み立てを同じ工程でロボットが一括で自動搭載するシステムなどを導入した。これまでは作業員が腰を曲げながら手動でエンジンなどを組み付けていた。
車載用の量産として世界初となる永久磁石を使わない駆動モーター8個の同時銅線巻き上げも行っている。「インテリジェント・ファクトリー」と名付けられた最新生産技術・設備は、国内外の工場へ順次展開していく予定。

白木真紀

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