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Alfred Lee

インドには「ヴィパッサナー」という瞑想修行法があります。これは数日間、一言もしゃべらないという修行です。

私はその修行に参加して、5日間の完全な無言の行を実行したことがあります。以下は、その時の体験談です。

  1. 最初の1日は、とにかく物理的に口を閉じ続けていることを常に自分に言い聞かせる必要があります。皆ぎこちなく、とても気まずく感ずるのですが、すぐに慣れます。
  2. 瞑想センターでは、携帯電話やインターネット、テレビにアクセスすることはできません。主催者は、自分の人生について考えるよう勧めます。“全人生”についてです! 全ての記憶を呼び起こすように、と勧めるのです。どれほど長く人生を生きてきたのかと言う事と無関係に、私の修行仲間のほとんどは、1日で自分の人生の全てを思い出すことができました――そうしてみると、人の一生とはなんと儚(はかな)いものなのでしょうか。
  3. 時をやり過ごすために、みな、タップリ眠ります。しかし、これは1日か2日以上は続けられません。なぜなら、一度しっかり休んだら、もはや無理には眠れなくなるからです。
  4. みな、音に敏感になります。常に人の話を聴いているというわけではないので、自然の中の音、食器などの物が触れ合う音、自分の呼吸の音まで気になるようになります。
  5. ボディランゲージを解読したり、表現したりするのが上手になります。アイコンタクト、顔の表情、肩をすくめる、手の動き(ハンド・ジェスチュア)。みんな、メッセージを伝えるために、そう言った仕草を工夫し始めます。やがて、離れた場所にいる人のボディランゲージをほとんど「聞く」ことができるようになります。
  6. しかし、おそらく最も驚くべき結果は、再び話す自由を与えられたとき、あなたはほとんど話しをしたくなくなるということです。今すぐに話さなければならない事など何もないことに気が付くのです。
  7. そして、再び声を出すと、あなたの耳はあなた自身の声を完全には認識してくれません。まるで、録音機で自分の声の再生音を聞いているような感覚になります。あなたは、これが自分の声として他の人たちに聞こえている音なのかと疑問に思い、少し奇妙に感じます。
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